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野田一夫かく語りき
 人材派遣のパソナグループ代表の南部靖之は、起業を志して東京に出てきた26歳の時、紀尾井町で事務所を引っ越し中の野田に「君ちょっと、この机を持って」と手伝わされた。すべてを運び終えた時「で、君は何をやってる人なの」と野田に聞かれた。それが縁で、紀尾井町の野田のオフィスに机と椅子をもらい、7年間野田のカバン持ちをし、野田と共に様々な勉強会に出席し、多くの経営者と知遇を得た。そして「ビジネスではベストセラーよりロングセラーが必要だ」と励まされ、儲かるからと事業を始めるのではなく、「正々の陣、堂々の旗」を張って「世のためになる大義名分をたてれば1億2千万人が動く」とも教えられた。まさに「経営のイロハのイから学んだ」と南部は言う。
「一番出来の悪い弟子」を自認する南部(左)、カリフォルニア大学卒業後、社員3人の時代から知る孫正義(左から2人目)、立候補後「革命が必要」と説教された渡辺喜美(右)
 アメリカには、“チアリーダー”と呼ばれるベテラン経営者がいる。彼らは、自ら猛烈に仕事すると共に、若き起業家たちに刺激的な言葉を吐き、時には挑発し、鼓舞する。あるいは苦境に陥ったベンチャーに、資金ではなく必要な人的支援を行って、その創業リスクを軽減する。その意味で言えば、野田は均一化する一方の日本人のなかで「イレギュラージャパニーズ」を鼓舞し、励まし続ける精神的チアリーダーにして、その生き方を身をもって教える「最良の教師」だ。
 野田自身は「自分に経営の弟子はいない。皆、自分で育っていっただけだ」と語る。
 かつてニーチエは『ツァラトゥストラはかく語りき』の中で、人間精神の三変容について触れ、最初は「乾き切った砂漠を歩くラクダ」、次に「何百年何千年と輝く黄金の鱗を持つドラゴンと戦うライオン」の時代を経て、最後に「物を創造する小児」になると説いた。現在、多くのライオンが優しい猫へと変身していく中で、野田はいまだにライオンの心を持ちつつ、小児のごとく物と人間の創造を楽しんでいるかのようだ。 (文中敬称略)
 
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